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書籍:小さな会社だから勝ち残る
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第7章 社員を活かす社長の心得


6 社長が持つべき「3つを見る目」
    

人は、五感を通して周囲の情報を頭に送り込み、情報を加工して「結論」を出し、最終は、何らかの行動になってあらわれます。
この結論のよし悪しは、頭での情報の加工度合いにもよりますが、その前段階の、頭にインプットする、「情報」に大きく依存します。
情報量が少ないと、適切な加工はできず、また、まちがった情報であれば、まちがった結論になります。
ベターな結論に導く情報収集には、「3つを見る目」が必要です。

(1)現状を観る目
現状のよい点や悪い点、特に悪い点を、しっかりと見ることが大切です。
ともすれば、社長には、悪い点についてはベールがかぶされて、情報が伝わってきやすいものです。
なぜなら、社員は、現状の悪い点を社長に話して気分悪くするよりも、よい点を話して喜んでもらいたいからです。
もちろん、社長に怒られたくもないからです。
業績が不振で、経営の抜本的な改革が必要とされているスーパーがあります。
その店を注意深く見れば、「売れない」数多くの問題点があるのですが、一向に改善されません。
店長の問題意識や改善意欲もさることながら、社長が、その店(現場)の問題点に気がついていないのです。
社長は、社員からの報告や話だけではなくて、自ら現場を歩いて、自分の目で事実を見ることが必要です。

現場を見るときの見方には、次の3つがあります。
@ 見る…たんに目を向けるだけ
A 視る…問題点を見つけようとする
B 観る…問題点と、その本質を見抜こうとする
もちろん、「B 観る」が必要で、@は事実を見るだけ、Aは事実から問題点を見つけることはできますが、抜本的な対策までは至りません。
問題点の本質を見抜き、根本対策や横並び対策ができる、「B 観る」を身につけるには、「心の目」を鍛えることが必要です。

(2)先を見る目
先とは、5年先や10年先ではなく、100年先です。
その理由は、「自分は生きていない」、つまり、自己の利益や同族というものから脱却して、会社の目的である、社会貢献や社員の幸せを考えるためです。
そうすると、身近な欲望にとらわれることもなく、正しい判断ができると思います。
また、100年先に生き残る会社を考えることができます。
人・物・金・情報などの経営資源の重点配分を、その次元で考える、そんな社長が、本当の経営者ではないでしょうか。
そして、100年先のことを考えると、過去のことを考えるのは無意味に思え、これから先を充実させることに全力投球ができます。
今を優先して考えると、どうしても、「自分」や「過去」にとらわれやすく、まちがった判断をしがちです。
目線は、常に、「前と上」に向けておきましょう。

(3)人を見る目
立派な能力を持ち、十分に力を発揮できる社員は社内に多いのですが、社長の目から見ると、不充分に映ります。
どうしても、自分の素晴らしい能力が目につき、人の能力はかすんで見えるのです。
そして、不充分に思えると、何につけて口出しが多くなり、結局は、社長のやり方で進めるしかなくて、その人の能力は発揮できません。
人を見るときには、「現在発揮できる能力」と、「これから2〜3年先に発揮できる能力」の、2つの能力を見抜くことが大切です。
後者の能力は、潜在能力とも言われ、すべての人に備わっている隠れた大きな力です。
この潜在能力を見抜き、育て、発揮させることが社長の人を見る目です。
そのためには、「人に対する感受性」と、「待つ心」が必要です。

このような、「3つを見る目」を養いながら、日々の経営に最大限の努力を傾注していくことが、社員はもちろん、社長自身の幸福につながり、ひいては、会社全体に大きな活気と喜びをもたらすものと考えています。


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