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書籍:小さな会社だから勝ち残る
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第6章 経営改善の重要ポイント


7 「忙しいとき」に改善する
    

改善が進まないときに、その原因を考えていくと、「忙しくて時間がない」、「改善のやり方がわからない」、「よいアイデアが出ない」、「上司が協力してくれない」、「やっても意味がない」、「やる気がない」というようなことが出てきます。
この中で、最初にでてくるのが、「時間がない」ですが、しかし、これが本当に改善が進まない原因であることは少ないようです。
よく聞くと、確かに忙しくなる原因はあります。
「飛び込みの仕事が発生した」、「顧客からクレームがきた」、「新製品の立ちあがりで仕事が多い」など、いくらでも忙しくなる理由はあります。
しかし、その「忙しくなる原因である仕事」は順調に進んでいるのです。
たとえば、飛び込みの仕事が発生しても、遅くまで頑張ったり、仕事を効率化して、何とかこなしてしまいます。
顧客クレームの対応も同様です。
いくら忙しくても、不思議にも、改善以外の仕事はできてしまいます。

つまり、「時間がない」という原因は、改善が進まない他の原因、「やり方がわからない」「よいアイデアがない」…を代弁しているだけなのです。
だから、改善の時間を生み出そうとして、「この仕事はこうして効率化しよう」、「残業を増やして時間をとりましょう」、「この仕事はしばらく中断しましょう」…と、時間を作る方法を考えて実行しても、結局のところ改善は進みません。
だから、時間を生み出すことについて話し合うよりも、それが代弁している原因を見つけて、取り除くことが必要です。
たとえば、「改善のやり方がわからない」場合には、その人がわかりにくい「改善のやり方」を聞き出して教育することです。
また、「他部門が協力してくれない」場合には、他部門にどの程度働きかけたのか、どうして協力してくれないのか、その原因をさらに堀り下げて、対策を考え出すことが必要です。

このような、改善が進まない「真の原因」をつかんで対策することは、「経営改善の目標達成」と同様に非常に重要なことです。
なぜなら、それにより、「社員の改善能力が高まった」、「組織が連携して仕事を進める方法が理解できた」などという、「組織力の強化」が図られるからです。
この「組織力の強化」と、「経営改善の目標達成」のどちらが重要かですが、もちろん、直接的な目標達成は必要ですが、前者の組織力の強化は、これからどんどんと経営改善を進めるため、すなわち、永続的な改善体質を作るために絶対に必要なことです。
この成果が少ないと、企業の体質は強化されません。

社長の中には、忙しいときは今の仕事に専念して、経営改善は少しペースダウンする。
そして、暇になったら力を入れようと考えられている方がいます。
しかし、このように考えていると、なかなか経営改善に着手できないようです。
暇になって、売上高や利益が減少してから、あわてふためいて改善にとりかかることになりますが、暇になってからの改善は思うような成果があがりません。
「改善に使えるお金が少ない」、「社員の士気が低下している」といった制約条件の中で、経営改善の目標達成の成果だけをできるだけ早く得ようとするあまり、組織力は強まるどころか、弱まる結果にもなります。
病気になってからのスポーツと同様に、健康増進どころか、反対に、体力低下や身体の故障を招きます。

それに反して、受注が多くて忙しいときには、個々の経営改善の成果が、会社の利益に反映され易いことも事実です。
だから、忙しいときにこそ改善を行い、直接的な「経営改善の目標達成」と、間接的な「組織力の強化」という、2つの成果を手にすることが賢いやり方です。


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