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書籍:小さな会社だから勝ち残る
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第6章 経営改善の重要ポイント


6 目標値設定の2つの考え方
    

経営改善を進めるには、「目標」と「目標値」が必要です。
ところで、改善テーマの設定段階で、目標は決まっています。
たとえば、「A製品の売上高を増やす」、「B生産ラインの生産性を向上させる」、「C材料の歩留まりをあげる」、「D機械の稼働率を高める」などです。
この目標の大きさが「目標値」ですが、これを決めるときに、2つの考え方があります。

ひとつは、「可能性」からの目標値の設定です。
つまり、改善ができる可能性やネタがあれば大きく、なければ小さくする方法です。
たとえば、「D機械の稼働率を高める」では、改善の構想として、「機械の調整時間の短縮で、稼働率は2%アップ」、「切替時間の短縮で、4%アップ」、「不良削減で、1%アップ」の可能性があるから、「目標値は、7%アップ」にするという決め方です。
この決め方では、最初から改善の構想があるわけですから、改善を進めていく上で、メンバーの同意はとりやすく、ほぼ全員納得の状態で改善をスタートすることができます。
だから、ボトムアップの経営改善に適した目標値の設定方法です。

もうひとつは、「必要性」からの目標値の設定です。
この場合は、改善の構想があるなしにかかわらず、また、目標達成の可能性の大小にかかわらず、「経営ビジョンの達成」という必要性で目標値を決めます。
たとえば、「経営ビジョンで決めた、5年後の売上高から逆算すると、来年度の売上高の目標値は、今年度の30%アップである」、「E製品の販売量を増やすには、ライバル会社の製品価格から見て、20%の価格低減が必要なため、それを目標値にする」などです。
このように、「できるかできない」ではなくて、「やらねばならない」という目標値の設定方法です。
この目標値を達成しないと将来のビジョンが達成できない、また、ライバル会社に負けてしまう、といった大きな必要性にもとづきます。

このような2つの目標値設定の考え方がありますが、「可能性」からの目標値の設定よりも、「必要性」からの目標値の設定のほうが望ましいと思います。
なぜなら、前者は全員の納得性は高いのですが、だからといって、実現性も高いということではありません。
「必要は発明の母」と言われるように、改善の推進力は、どちらかといえば後者のほうが強いからです。
また、可能性にもとづく改善では、誰もが気づく顕在的な問題解決が進むのに対して、必要性にもとづく改善では、潜在的で構造的な問題解決が図られ、組織の構造的な改革に進展します。
だから、必要性による目標値の設定が望ましいのですが、しかし、人は可能性が少ないと思うと、行動しない傾向にあります。
そのため、「将来ビジョン」を作る段階で、できるだけ多くの社員を巻き込み、その必要性をどれだけ深く認識させられるかが重要になります。


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