本文へスキップ


書籍:小さな会社だから勝ち残る
SERVICE&PRODUCTS

第6章 経営改善の重要ポイント


5 改善に必要な「現状否定」
    

改善を進める上で、大切な考え方は、「現状否定」です。
今、行っている仕事の方法よりも、さらによい方法が必ずある、という信念を持つことです。
なぜなら、改善とは、現状を変化させることですが、変化させるきっかけは、問題点を見つけること、すなわち「現状否定」だからです。
今、行っている仕事に問題点を見つけ出して、その原因を追求し、そして、原因をなくす対策をするわけです。
だから、問題点が見つからなければ、改善はできないことになります。
現状否定をして、問題点を見つける意識、これがよくいわれる「問題意識」です。

しかし、改善をしようとしながら、無意識のうちに「現状肯定」の話になっていることが多いようです。
たとえば、グループミーティングなどで、「Aさんが行っている、○○○の仕事を改善しましょう。何か問題点はありませんか?」と話題が出ると、Aさんは、「今の仕事の方法はまちがいもなく、私にとっては一番よいやり方です」となり、改善は進みません。
全員がこの調子なら、その職場の改善はストップです。

しかも、この傾向は、仕事経験の長い人や管理者に多く見られます。
仕事経験の長い人は、問題点を含んだ仕事の方法に慣れてしまって、それがやりやすい仕事になっているのです。
きっと、その人も、最初のうちはいろいろと問題点に気がついたのでしょうが、ついに、それを我慢や慣れで克服(?)し、問題点ではなくなったのです。
そのような人が管理者になり、その仕事を部下がするようになったとき、部下が問題点の指摘をしても、それは、部下の仕事のやり方が悪いことを原因にしてしまいます。
自分が長年行ってきた仕事だから、問題点はないのです。
また、自分なりに改善し、うまくできてきた仕事を変化させることに、無意識のうちに抵抗しているのです。
ところが、こんな管理者も、新たな仕事につくと、「あれがおかしい、ここもおかしい、問題点ばかりだ」とか、「この仕事、本当に必要なの?」と、素晴らしいことを言いはじめます。

だから、「現状否定」の意識を持たせるには、ひとつの仕事に就いている期間を短くすることです。
長くても5年、通常は、3年を目安に職場や仕事を変えると、新たな目で問題点を発見するようになります。
ところが、多くの中小企業では、積極的に配置転換をしている会社は少ないようです。
同じ仕事を長くしていると、ある程度まではうまく仕事ができるようになるために、社長も変えにくいのが現状です。
交替させて、トラブルが発生することを恐れがちですし、また、次の人を育てていないと、交替のさせようがありません。

こうして、問題点は深く潜在化し、時々大きな問題を引き起こしてクローズアップされますが、その人や上司がタイムリー(?)に処置を行い、表面上の損失は少なく見えます。
このようなことが日常化した結果、トラブル処置の得意な管理者が生まれます。
こうならずに、会社の中に現状否定の考え方が根づいて、数多くの問題点が出るように、その必要性を社員に教育していくことが必要です。


←6章4へ →6章6へ




このページの先頭へ
 

株式会社アドバンス経営