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書籍:小さな会社だから勝ち残る
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第6章 経営改善の重要ポイント


3 日常の問題点を解決する「ボトムアップの経営改善」のポイント
    

経営改善のもうひとつの進め方は、ボトムアップの経営改善です。
先ほどの、トップダウンの経営改善を進める上での一番の問題点は、第一線で働く一般社員が、無関心になりやすいことです。
なぜなら、改善テーマは経営環境とか、ライバル会社といった、一般社員とは少し離れたことから設定したこと、また、日々の生産(特に納期)に追われていて、それをうまくこなすことのほうが先決だからです。
だから、日常の仕事で発生している身近な問題点を解決する、ボトムアップの経営改善が必要なのです。

このボトムアップの経営改善の目標は、全部門共通のものにするとよいでしょう。
たとえば、「価値金額生産性=グループの1人・1時間当たりの価値金額」があります。
価値金額とは、各グループの売上高から、使った材料費や経費を差し引いたもので、これを、各グループが使った総作業時間で割ったものが、「価値金額生産性」です。
  価値金額生産性={売上高‐{(材料費+経費) }÷総作業時間
1ヶ月間の平均値を出して、各部門とも現状に対し、20〜30%高めることを共通の目標にします。
改善期間は、半年間がよいでしょう。
具体的な計算方法は、拙著「利益のあがる小さな工場経営…明日香出版社」を、参考にしてください。

この価値金額生産性は、「1人・1時間当たりの人件費+利益」と同じになり、社員が高めることが必要なことは明白です。
これを毎日、それぞれのグループ単位で算出し、グラフに書き込み、大きく変動する原因を分析し、問題点を見つけ出して改善をします。
目標値を高めるには、「売上高を高める」、「材料費を削減する」、「経費を削減する」、「作業時間を短縮する」などの観点から、それぞれの部門が、自分たちの目標値を達成するために、何から取り組めばよいのかを考えて、小テーマを設定します。
それぞれのグループは、目標値は同じでも、改善の内容は異なってきます。
そして、ボトムアップの経営改善をうまく進める、3つのポイントがあります。

(1)全社員に目標値を浸透させます。
目標値の意味や狙いが、改善を行う全社員に徹底されていないと、改善は進みません。
この「価値金額生産性」は、どのようにして計算するのか、また、どうしたら高めることができるのか、そして、それを高めることが、会社の利益や自分たちの給料にどのように関係してくるのかを理解させます。
少し時間がかかるかもしれませんが、何回か教育を兼ねた説明会を行って、目標の浸透と共有化を図ります。

(2)改善の段階で発生する、「原因」と「責任」の分離を行います。
日常の問題解決では、問題点が発生する原因を、「なぜ? なぜ? なぜ?…」と、次々に追求していきますが、このときに、人の責任を追求しないことです。
たとえば、「品質不良が発生した」という問題点に対して、「Aさんが作業ミスをした」とならないようにすることです。
このときには「作業の方法が、決められた方法で行われなかった」、その原因は「作業のポイントがわかりにくい」、そしてその原因は「…」というように、原因を追求していけばよいのです。
なぜなら、責任を追及すると、その責任に対しての弁解がはじまるだけだからです。
弁解よりも、2度と問題を発生させない、改善案を考えることに時間を使うほうが得だし、弁解からは改善案は出てきません。

(3)出てきた対策に対して、結論を必ずを出します。
出てくる問題点は、日常何回も発生していたり、また、その処置に困っているので、作業をしている人にとっては深刻です。
だから、その原因を追求して考え出した対策は、できるだけ実施することです。
もちろん、本人やそのグループで対策を実行できるときはよいのですが、他部門にまたがったり、お金がかかったりして進みにくく、「そのまま」になる場合があります。
対策が実施されずに、「そのまま」の状態になって、いつのまにか消えてしまうと、本人の改善意欲がなくなります。
そこで、必ず結論を出すことです。
その結論には、@「実行する」 A「保留する」 B「中止する」の3つがありますが、ABの場合は、その理由を明確にすること、Aについては、納期を決めて適時の見直しが必要です。
こうして、何らかの結論を出すことによって、本人の満足度も高まり、グループの改善への意欲が盛り上がります。


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