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書籍:小さな会社だから勝ち残る
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第6章 経営改善の重要ポイント


2 経営環境に適応する「トップダウンの経営改善」のポイント
    

儲けるための経営改善には、次の2つの進め方があります。
ひとつは、改善テーマや目標を、社長から管理者、そして、一般社員に展開していく、「トップダウンの経営改善」で、もうひとつは、日常の仕事で発生する、問題点を改善する、「ボトムアップ」の経営改善です。

まず、トップダウンの経営改善です。
会社は、さまざまに経営環境が変化する中で、ライバル会社と凌ぎ合いながら、生存競争を繰り広げていますが、そこで勝ち残っていくためには、「経営環境に適応すること」、「ライバル会社の先を行くこと」が必要です。
そこで、トップダウンの経営改善のテーマ設定では、自社を取り巻く経営環境や、ライバル会社の分析が大切です。
経営環境の分析では、消費者に対して、自社の製品が、今後、その必要性や重要性を増していくかどうかを検討します。
たとえば、製品のひとつが高齢者向けの製品で、これからの高齢化社会では需要が大きく見込める、また、もうひとつの製品は生活の快適性を向上させる製品で、人の快適性志向にマッチしているなどです。
もちろん、ニーズがなくなっていく製品もあるでしょう。
下請企業であれば、納入する部品を使っている、親会社の製品の需要を考えます。
そして、今後、その必要性や重要性が高まる製品は、需要が大きくなるために、多くの会社が参入して競争が激しくなります。
このような製品については、製品の差別化、特に新たな機能を追加して、消費者が欲しくなるような製品改良と、原価低減が改善テーマになります。
また、反対に、需要が低下傾向になるライフサイクルが衰退期の製品は、徹底的な原価低減で、最後の利益獲得を行うこと、そして、次の稼ぎ頭の製品を開発をすることが改善テーマになります。
このような、トップダウンの経営改善テーマの設定では、関連する技術開発の状況や、ライバル会社の動きに目が離せません。
できる限りの情報収集が必要です。
こうして、経営改善の大テーマが決まったら、それを各部門の改善テーマに展開していきます。
このとき、自社が持っている経営資源(人・物・金・情報)を有効に活用するために、テーマに優先順位をつけたり、各部門の仕事量と能力のバランスをとります。
そして、その優先順位にしたがって、経営資源を適切に配分し、また、能力アップが必要な部署を計画的に強化していくことです。

進め方では、各部門単位で進める方法と、各部門から適任者を出してもらい、プロジェクトチームを編成して取り組む方法があります。
プロジェクトチームは臨時の組織で、改善テーマを完了したら解散します。
どちらの進め方がよいかは、テーマの内容や大きさと、関連部門の数やその実行期間などで決めるとよいでしょう。
テーマによっては、スタートのときは、部門単位で進め、ある時点でプロジェクトチームを結成して取り組む方法もあります。

このトップダウンの経営改善が、成功するかどうかのポイントは、社長の情熱です。
テーマを決めて管理者にまで展開したから、あとはうまく推進してくれるだろうなんて考えていたらダメです。
なぜなら、テーマは経営環境とライバル会社の動きから決めましたが、これらは日々変化するため、状況によっては、テーマを見直す必要があるからです。
そして、それらの変化を一番つかんでいるのは社長です。
また、このテーマの必要性は、社長が一番感じているはずです。
社員は、日常の仕事に追われているので、日常の問題解決(ボトムアップの経営改善)の必要性が大きく、トップダウンの経営改善は、ともすれば、なおざりになりやすいものです。

こうして、トップダウンの経営改善を着実に進めていくことが、将来の「儲かる会社」につながっていきます。
将来の種をまき、うまく育て、花を咲かせていくのは、社長の大切な仕事です。


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