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書籍:小さな会社だから勝ち残る
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第6章 経営改善の重要ポイント


1 社員の「儲ける意欲」を強くする
    

最近の景気の低迷で、ボーナスが減少している会社が多いのですが、それでも、社員の危機感は少ないようです。
社長は、資金繰りを心配しながらも、何とかしてボーナスを出そうとしますが、もらう社員は、今年は昨年より下がったとしても、「次は頑張って多くもらうぞ!」というような意識には、なかなかなりません。
先日、利益が出ていないある会社の社員が、冬のボーナス支給のあと、「昨年より下がりましたが、もらえるだけありがたいです。もらえなくなったら大変です。」と言っていましたが、もらえなくなるまで危機感が働かないのです。
また、利益が出て、儲かっている会社の社員は、昨年並みにボーナスをもらえてありがたいと思い、そして、儲からない会社のボーナスより多いことで、下を見て満足しています。
どちらのケースも、今の現状に満足していて、将来の、より大きなボーナスを目指した仕事への意欲は感じられません。
ボーナスが、0.5ヶ月の会社の社員は1ヶ月になるように、1ヶ月の会社の社員は2ヶ月になるように、2ヶ月の会社の社員は3ヶ月になるように、常に、上を見て仕事をしないとダメなのですが、先ほどのように、多くの社員は現状に満足しています。
より多く稼ぐために、全社員が一生懸命に働いているはずなのですが、現状維持といったらいいのか、「儲ける意欲」の弱さを感じます。

このようになる背景には、会社や本人を含めて多くの原因があると思いますが、基本的に、人は「現状に満足する」ように作られているのではないかと考えています。
多くの人が、「中流意識」を持って現状に満足していたり、また、仕事帰りに仲間と一杯飲んで、仕事のうさを晴らし、一時的な満足感に浸っています。
こうして、お金や仕事に対する仮の満足感を持ちすぎることが、「より多く儲ける」という仕事への意欲を、なくさせているのではないでしょうか。
なぜ、現状に満足するのかですが、それは、満足するほうが「楽」だからです。
現状に不満を持ち続けることは、心にストレスが大きく、また、不満を解消するための積極的な仕事は、周囲に摩擦を発生させやすいと、無意識に思っているからです。
しかし、不満によるストレスを持っても、それを解消する満足感のほうが、格段に大きいのではないでしょうか。

現状に不満を持たない意識の社員が多いと、会社は、他社との生存競争に敗れていくことになり、結局は、全社員に大きなストレスが襲うことになります。
だから、「より多く儲ける」ためには、現状に不満を持ち、「より多く儲けるように働きたい」と、全社員が、心から望むようにすることが基本です。
この気持ちを持てずに、経営改善に励んだところで、死に物狂いの改善にはならず、成果はしれています。
このハングリー精神を持たせるには、次の3つが必要です。

(1) 会社の収益と、社員の給料を比例させます。
営業社員のように、自分の仕事が売上高に直結する場合を除き、ほとんどの社員は、自分の仕事が、会社の収益に直接的に寄与していると、本心からは思っていません。
その意識を変えるために、会社の収益に応じて、社員の給料を上下させるのです。
たとえば、半年単位で見て、売上高が低下したり会社が赤字であれば、全社員の給料は下げてボーナスは出さない。
しかし、売上高が増加して利益があがると、社員の働きに応じて給料をあげて、ボーナスも増やします。
その上下の幅を大きくするほど、自分の仕事が、会社の収益に大きく寄与するにはどうしたらよいかを考えます。

(2) 社長が死に物狂いで働きます。
社長が、会社の中で一番必死に働く人でなければ、社員はついてきません。
社用といって、昼からゴルフをしたり、夕方になると接待といって飲み歩き、次の日は二日酔いで出勤時間が遅かったり、元気のない顔をしているとダメです。
社長の悪いところはすぐに見つけ、それに応じた仕事をします。
もちろん、利益があがって、ボーナスがそこそこあるときには、社員も何も言いませんが、利益が出なくなると、真っ先に社長の原因にします。
反対に、社長が死に物狂いで働けば、その姿を見て、一生懸命に働くものです。
社長が楽をしようとしたら、それは社長交替のときです。

(3) 社員が必死になって儲けようとする場を提供します。
より多く儲けるためには、経営改善が必要です。
社員がその気になって、経営改善に取り組もうとしたときに、十分に活躍できるようにしてあげます。
つまり、社員という役者さんに、改善の舞台(トップダウウンの経営改善や、ボトムアップの経営改善)を用意し、それぞれの役割を明確にして、思う存分に演技ができるようにするのです。

このような、基本的な条件を整備した上で、具体的な経営改善に取り組みます。
「より多く儲けるために働く」ということを実践しているうちに、それを通じて、働くことの楽しさや、喜びを見つけることができるとしたら、それは最高の幸せでしょう。


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