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書籍:小さな会社だから勝ち残る
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第5章 や経営者・管理者がつかむ経営数字


4 貸借対照表のポイント
    「流動比率」「自己資本比率」「総資本対経常利益率」

家庭で考えると、損益計算書は、「ある期間の収入と支出、そして、その差額の貯金」という「金回りのよさ」をあらわし、貸借対照表は、「ある時点での貯金や借金、そして、家や自動車や株券などの財産」という「裕福度」をあらわします。
金回りがよくて、上手に貯金をしていると、いずれ裕福になりますが、いくら今が裕福でも、金回りが悪くて毎月赤字だと、徐々に貯金が減ってきて貧乏になります。
これが、損益計算書と貸借対照表の関係です。
会社の財政状態(裕福度)をあらわす貸借対照表は、次のようになります。

この貸借対照表から、次の3つの数字と内容を読み取りましょう。

(1) 流動比率(流動資産÷流動負債×100%)
現金・受取手形・売掛金・製品・材料在庫などの、「流動資産」が大きくて、支払手形や買掛金・短期借入金などの支払い義務のある、「流動負債」が小さいほど、「流動比率」は高くなります。
この比率が高いほど、お金の支払能力が大きいため、当面必要なお金(資金繰り)の心配をする必要は少なく、また、倒産の可能性も少なくなります。
中小製造業の平均は170%、小売業の平均は197%で、200%以上が理想です。
この比率を高めるためには、流動資産の中の、受取手形や売掛金の回収期間を短縮したり、在庫の削減により、それに相当する流動負債を減らすことが必要です。

(2)自己資本比率(自己資本÷資本×100%)
「資本」とは、会社を経営するために使っている元手のことですから、「自己資本比率」は、資本(元手)に占める、自己(会社)が持っているお金の比率をあらわします。
だから、この比率が高いほど、借入金が少ないため支払利子が少なく、経常利益は大きくなります。
また、手持ち資金が大きいため、経営が安定します。
この比率を高めるためには、利益をあげて社内に蓄積すること、また、遊休資産になっている土地や建物・設備などを売却して、借入金を減らすことが必要です。
しかし、会社の規模を大きくする場合、自己資本だけではまかないきれないために借入金に頼り、一時的には自己資本比率が小さくなっても、計画的に借入金の返済を行い、自己資本比率を高めていけば、問題はありません。
もちろん、採算がとれにくい、また、リスクの高い投資のための借入金は、慎重にしなければなりません。

(3) 総資本対経常利益率(経常利益÷総資本×100%)
いくらの元手を使って、いくらの利益をあげたかをあらわします。
少ない元手で、多くの利益をあげるのが会社の経営効率になりますから、この率は高いほうがよいです。
たとえば、100万円投資して、10万円稼ぐよりも、10万円の投資で、10万円稼ぐほうが得なのと同じです。
中小製造業の平均は6%、小売業の平均は8%ですが、10%以上が理想です。
この比率を高めるには、経常利益を増やすことはもちろんですが、元手を有効に活用することが必要です。
すなわち、使っていない投機目的の土地、スペース効率の悪い工場・事務所、また、休止設備、そして、製品や材料在庫などを思いきって処分し、借入金の返済に当てること、つまり、会社の資産をスリム化することです。



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