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書籍:小さな会社だから勝ち残る
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第4章 やる気を高める社員の評価


5 やる気の出る「半年俸制度」

多くの会社の給与体系は、月給と賞与、会社によっては、さらに、利益が出れば加味する決算賞与などからなっています。
また、月給も、その内訳に、基本給・残業・家族手当・交通費などがあります。
個別にみれば、それぞれは意味があるのですが、全体で見ると複雑です。
個人の年功や能力や成績に関係する基本給、全員であげた成果に対する賞与や決算賞与、また、仕事の成果にはあまり関係しない残業、さらに、仕事には関係のない、どちらかといえば本人の都合に関係する、家族手当や交通費などに分類できます。
これらの複雑な給与体系は、高度成長時代の経営家族主義の産物で、今では不適当になってきているのではないかと思います。

たとえば、残業です。
仕事ができる社員からみれば、仕事ができない社員は残業で稼ぐのか、ということになります。
また、同じ時間働いても、残業がつく係長の給料のほうが、残業がつかない課長より高いという現象が出ます。
家族手当も、独身の人には出ません。
もちろん、家族が多いと生活にお金がかかりますが、それはわかって家族を持っているはずです。
さらに、交通費も、家が、会社に近い人は少なくなります。
家が遠いため交通費を多くもらったところで、本人には残りませんが、会社から遠く離れると、一般的には、土地は安く住居費は安上がりです。
しかし、家が近い人のほうが通勤で疲れず、仕事に向けるエネルギーは大きいはずなので、「元気手当て」などをもらってもよいと思います。

このような矛盾をなくすために、社員にかかる費用を合算し、それを一本化して、成果に応じた報酬にしたらどうでしょうか。
そうすると、社員も納得すると思います。
もちろん、今までの給与体系と比較すると、得をする人や損をする人が出てきますが、それは一時的なことです。
一時的な混乱のあとは、すっきりとした給与体系が残り、仕事の成績向上への意欲が芽生えます。

このときに、報酬額は、ある期間で仕事の成果を評価して、大きく上下させることです。
また、一般的に、給料や賞与は1年間で金額を決めますが、長過ぎるのではないかと思います。
金額は、仕事の成果と、これからの業績への期待に対して決まるものですが、会社の業績は、1年単位で評価するどころか、半年決算・月次決算というように、かなり短い期間の評価になってきています。
だから、社員の仕事の成果も半年間で評価を行い、これからの半年間の報酬額を決めてよいのではないかと思います。
すなわち、「半年俸制度」です。
この半年俸制の運用ポイントが、3つあります。

(1) 評価は過去半年間の成果と、これから半年間の目標で決めます。
 半年俸は、これから半年間の報酬額(すべての手当てを含む)で、それを決める評価は、過去半年間の仕事の成果と、これから半年間に期待できる仕事の成果(自己申告の目標にもとづく)です。
 つまり、完全に成果に対応させます。
 この2つの比重は、前者(過去の成果)が、50〜70%で、残りが後者(将来の成果)にします。
 もちろん、これから半年間の成果は、半年後には現実化して次の評価に織り込むため、結果的には、完全に実績の成果にもとづく年俸になります。

(2) 金額は大きく上下させます。
 もちろん、ある程度の最低限の下限は必要でしょう。
 たとえば、社員の場合、最低金額は、半年俸200万円というように決めます。
 だから、評価の金額がそれ以下の場合には、会社に形式上借金という形にして、将来の評価で埋め合わせます。
 しかし、上限はなしです。
 この場合、社員の半年俸が社長より多いということもありますが、これを認めます。
 このように、半年間で成果を金額に換算して、半年俸として支払いますから、退職金制度はなくなります。

(3) 社員一人一人と、十分に話し合って、評価と半年俸を決めます。
 つまり、評価を社員が納得できるようにするためです。
 その話し合いで出てきた、半年俸制度での問題点や評価をする上での問題点は、次回までに解決することです。
 その問題は、評価の不公平に関することが多いでしょうから、「公正」を判断基準にして解決策を出していくとよいでしょう。


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