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書籍:小さな会社だから勝ち残る
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第4章 やる気を高める社員の評価


3 「出世」を望む若者を作る
アンケートをとって調べたわけではありませんが、出世を望まない若者が増えているようです。
入社してはじめのうちは、出世を望みますが、数年が経って、係長や課長に昇進する時期になった若者に、その傾向が強いようです。
いくつかの会社で、その年代の社員と話し合っていてそのように感じました。

 「A君は入社して7年、そろそろ、リーダーになる時期ですね。仕事にも力が入るでしょう」と言うと、「いいえ、あまり出世したいと考えていません。地位にはこだわらずに、仕事をしたいと思っています」と、考えられないことを話します。
 しかし、よく事情を聞くと、うなずけることもあります。
「うちの課長や部長を見てください。責任は大きいのに権限は何もありませんよ。何から何まで社長に聞かないと決められないのですから。また、仕事がうまくいかないものだから、社長によく怒られるし、夜、遅くまで仕事をしています。それに給料も安く、いつもぼやいていますよ」
これを聞いて、なるほどと思いながら部課長を見ていると、確かに元気がありません。

高度成長時代のように、会社の規模がぐんぐんと大きくなっているときは、部長や課長など管理職のポストはどんどんと生まれて、それを目標にさせることができました。
しかし、超低成長化でポスト不足の現在では、それもままならず、昇進は動機付けの道具にできなくなってきています。
さらに、今はどの会社も管理者が過剰ですから、責任が不明確になり、その結果として、権限の委譲が難しくなっています。
また、管理者が多いだけに、管理者1人当たりの給料は少なくなります。

このような現状の中で、出世を望む若者を作ることは、大切と考えています。
新入社員は、はじめのうちは、課長や部長、さらに、社長になることを夢見ています。
それを目標に、仕事に頑張っているのです。
ところが、何年か経って、自分の能力の限界がわかったからではなくて、ポストに魅力がないことがわかって、本人自らが出世をあきらめることは大問題です。
この時点で、仕事や自己啓発への努力がなくなるからです。

これを打開するためには、「ポストに魅力をつける」ことです。
そのためには、ポストはムリに増やさずに、なりたいポストにすることが必要です。
会社には、社長のポストはひとつで、社長は1人ですが、多くの社員はなりたいと思っています。
これと同じように、管理職のポストも少なくてよいのです。
しかし、明確な責任と権限、そして、大きな報酬は必要です。
このようにするためにも、現在の管理者を総点検し、ポスト削減といった大胆な組織改革が必要でしょう。
また、「誰もがそのポストにつくことができる」という、評価と昇進の仕組みを明確にして、運用することも大切です。
多くの中小企業では、いったん管理者のポストについたらずっとそのまま、ということが見受けられます。
ポストと人の固定化は、弊害が多いものです。
管理者の見直し変更は、3年に1回はするというような基準も必要です。
このような組織に関する改善により、ポストに対するよい意味での生存競争が生まれ、社員にやる気が出てくると考えています。


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