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書籍:小さな会社だから勝ち残る
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第3章 社員の成長が会社の成長


1 はじめから「優秀な社員」はいない

よい会社には、優秀な社員がたくさんいて、よくない会社には、優秀な社員は少ないものです。
つまり、会社をよくしたいのなら、優秀な社員をたくさん作ることです。
もちろん、はじめから、優秀な社員ばかりの会社はありません。
何年もかかって社員は成長し、それに伴って会社も成長するのです。
だから、社員を成長させることは非常に大切です。

思ったように売上があがらない、新製品が開発できない、クレーム件数が減らないなどの、表面的な問題の背景には、社員が成長していないことがあります。
それを忘れて、どうしたら問題が解決するのかと、営業力の強化や新製品開発力向上、クレーム削減…と、改善手法にばかり目が向いている会社が多く見られます。
また、最近流行りのISO9000を認証取得すれば、品質レベルは向上すると思われていますが、マニュアル作成から認証取得の過程で、人材のレベルがあがれば、品質レベルは向上し、あがらなければかえって低下します。
なぜかといえば、いくらよい営業の方法を生み出したり、また、品質管理のルールを決めたとしても、それを実行し、使うのは社員ですが、その社員が、それらを使いこなせないと、絵に描いた餅、つまり、単なる空理・空論だけに終わってしまうからです。

ところで、社長のなかには、「うちの社員は馬鹿ばかりだ」と平気でいわれる人がいます。
もしそうだとしたら、なぜなのでしょうか。
はじめから馬鹿だったのでしょうか、それとも途中から馬鹿になったのでしょうか。
もし、はじめからであれば、社員を採用するときの基準がまちがっていたのだし、途中からであれば、会社の人材育成方法、たとえば、社員教育の考え方や制度がまちがっていたのでしょう。
どちらにしても、社長が、社員の成長を、しっかりと考えていなかったからではないでしょうか。
だから、社員に対して能力の疑問を感じたときには、どのようにしたら優秀な社員ができるのかを、もう一度基本に戻って考えてみることです。

もし、優秀な人というのは入社前に決まっているとしたら、優秀な人を見つけて採用する方法を考えます。
ところが、一般的に、優秀な若者はよい会社を目指します。
優秀な社員が少ない、あまり、よくない会社には行きたがりません。
たとえ入社しても、すぐに、自分に適した別の会社を求めて辞めていくか、また、周囲のよくない仕事の方法にすぐに染まってしまい、優秀でなくなります。
毎年4月になると、いろいろな会社の新入社員と話をする機会がありますが、どの新入社員も、目を輝かせて、これからの仕事に対する希望や抱負を話します。
みんな、情熱にあふれています。
そのときには、入社したときの能力の差は、ほとんどないと感じます。
しかし、入社して2〜3年も経つと、働くことに対する考え方や仕事のやり方に、大きな差が出てきます。
だから、私は、優秀な社員は、会社が作るものだと考えています。
そして、うまく成長させるためには、次のようなことが大切です。

(1) 社員の成長を長期的に考える。
 一般的に、社長には短気な方が多いようです。
 しかし、社員の教育は、少し時間をかけて、あせらずに着実に実行することです。

(2) 社員の成長を期待し続ける。
やはり、期待しないと社員は伸びません。
それも、社員1人1人に対して期待する内容は変わります。
 ある社員には、固有技術の習得を期待し、また、別の社員には、積極性や計画性を期待したりします。
そして、その人の成長とともに、期待する内容は変化していきます。

(3) 「仕事は、社員を成長させる道具である」と考える。
だから、その人にとって少し困難な仕事を与えます。
けっして、楽にこなせる仕事を与えてはいけません。
楽に仕事ができるようになったときに、社員の成長は止まり、それからは能力の低下がはじまります。
どの会社の社長も、立派な考え方と行動力をお持ちの方が多いですが、社長が成長するのは、会社経営が楽ではないからです。
つまり、会社経営には、常に何かの問題や危機があり、それを克服することをいつも考えているから、社長は成長するのです。
社員にもそれと同じように、困難を克服する機会を与えるのです。

(4) 常に、社員にテーマを与えて、必死に勉強させる。
たとえば、専門分野に関連することについて研究させたり、資格を取らせたり、古典な どの本を読ませて感想文を書かせたりします。
また、会社関連の行事の企画をさせたり、会社ニュースを発行する幹事に任命します。
このようなことを通じて、仕事をうまく進めるための知識や知恵を学びます。

(5) 社長が率先して勉強する。
社長は、楽しく遊んで、社員は、必死に勉強するということはありません。
社長が、平日にゴルフに行ったり、長期休暇をとって海外視察(?)旅行などが多いと、社員は、勉強するどころか、不勉強になり、社内の士気は急速に低下します。
社長が死に物狂いで勉強して、それが社員に少し伝わり、プライベートな時間の1時間を勉強に当てるようになるでしょう。

会社を伸ばそうとするならば、社員を伸ばすことの意義もよく考えて、その両面からの成長戦略を立てることが必要と考えています。




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