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書籍:小さな会社だから勝ち残る
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第2章 組織力の効果的な高め方


6 社長の家族と社員と「後継者の育成」

中小企業のほとんどは、オーナー社長で、その家族が社員になっていることが多いようです。
たとえば、奥さんが経理部長、長男が専務、次男が工場長などで、会社規模が小さいときは、このような体制で、家族の結束のもとに必死に仕事をすることが必要ですが、ある程度の規模になると、この体制が、会社の成長を阻害するようになります。
事業の規模や分野が広がるため、仕事の内容が複雑になり、さらに、上層部の判断の良否が経営に大きな影響を与えるようになるために、組織の上層部には優秀な人が必要ですが、能力とは無関係の血縁関係で、ポストが与えられるからです。

この時点では、もはや、家族であるという同族意識や信頼感だけでは、会社としての組織力を発揮できなくなっています。
能力に合った、ポストを与えることが必要なのです。
もちろん、長男は税理士の資格を持っていて経理部長、弟は人当たりがよいので営業の担当、しかし、常務は血縁関係のないA氏など、能力に合わせた人事であれば、家族が社員になっていても問題はありません。
また、次男は、大きな夢を持ち、身体も頑丈で会社経営に適しているから、10年ほど他の会社で経営に関する勉強をさせて、将来は、自社の主要なポストに抜擢するなどもよいでしょう。

だめなのは、「三男は、他の会社でもうひとつであったから、不憫なので、自社の部長にしておく。自分が見ていれば、大きな問題はないだろう」などです。
まして、そんな家族が主要なポストを占めてしまえば、他の社員は、まったくやる気をなくしてしまいます。
昇進の道がないこと、また、上層部の意見がくいちがってきたときに、どちらに従ったらよいかが判断できなくなるからです。
オーナー社長が、それを采配しているあいだはよいのですが、経営から遠のくときが問題のはじまりです。
問題として見えてきたときには、手遅れというケースがほとんどです。

自分の家族を大切にする「人間欲」は、誰もが持っている感情ですが、これを会社に持ち込まないで、家族を他の社員と公平に扱う強い意志が必要です。
それでも、家族には、能力を磨くチャンスや、それを発揮できるチャンスが与えられています。
もちろん、結果がダメであれば降格になりますが、チャンスを優先的に与えられることだけでも、オーナーの家族の大きな特権でしょう。

また、経営幹部にふさわしい能力を体得できるように、「後継者を育成」するのは、オーナー社長の大きな仕事です。
そのためには、次のことを体験させて学ばせておくことです。

@ お金のない状態(貧乏)10年
A 優秀な上司に使われる 3年
B 優秀でない上司(反面教師)に使われる 5年
C 古典などの本を読み、その感動を日記につける 5年
D 働きながら身体を鍛える 10年
E 問題社員を優秀な社員に変える 5年
F 大きな夢を描き、その計画化をする 3年

 このようなことを組み合わせながら経験を積み、その意義を体得させて、会社経営に対する意欲が出てきた頃に、主要なポストに抜擢することです。
 まちがいなく、大きな力を発揮するでしょう。



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