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書籍:小さな会社だから勝ち残る
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第2章 組織力の効果的な高め方


5 環境に適応する組織の「新陳代謝のポイント」

変化する経営環境に適応するための、新たな考え方や行動力、また、新たな価値観などを、組織内に創造していくために、組織には、「新陳代謝」が必要です。
しかし、この組織の新陳代謝は、人が入れ替わることだけではありません。
組織を構成する、それぞれの社員の考え方や行動が変化すれば、組織は新陳代謝をしたことになります。

ここに、社員教育の大切さがあります。
だから、社員を変化させる教育の場を用意したり、また、その必要性を説いて、自己啓発を行わせることが必要なのです。
そうして、全社員に、それぞれの能力を高めてもらいながら、組織の新陳代謝を図っていくことが理想です。
しかし、次のように、社員が会社を辞めて、結果的に新陳代謝が進む場合があります。

それは、社員が、会社の「変化」についていけなくなったときです。
会社として、社員が変化するさまざまな機会を設けたものの、どうしても変化できなければ、これは、もう辞めていただく以外にありません。
そのままでは、その人にとっても働きがいがなくなりますし、他の社員や会社にとっても迷惑になります。
また、反対に、社員の能力が高まりすぎて、会社がついていけない場合もあります。
社員は、自分の能力が、今の会社で発揮できないと思うと、自分にあった仕事ができて希望の報酬が得られる、新たな会社を探して転職します。
会社にとって、必要な優秀な社員が辞めていく場合で、大きな損失です。

このように、会社の変化と社員の能力の関係で、社員は辞めていきますが、基本的には損な話です。
一生懸命に育てた社員が去っていくわけで、新たな人が入ってきても、しばらくは戦力にはなりにくいし、教育するのに時間と金がかかります。
このようなことがないように、できるだけ優秀な社員に育て、その人たちが定着する仕組みを作る必要があります。

以上は、社員の能力向上から考えた組織の新陳代謝ですが、もうひとつ、昨今流行りの、「リストラ」による新陳代謝があります。
リ・ストラ(リ・ストラクチャリング)とは、本来は、会社の再構築のことで、会社の原点に戻って、必要な製品・組織・人材などを総点検して、これから会社が進む方向にふさわしい内容に組み変えていくことです。
しかし、景気の悪い今は、人員削減の代名詞になります。
リストラは、景気のよい悪いに関係なく、常に取り組んでおくことが必要な課題ですが、景気がよいときには、どうしても目が向きにくいものです。
だから、景気が悪くなってから行われやすいのですが、この時点でのリストラは、膨れ上がった余剰人員の削減がメインの議題になります。
この後ろ向きのリストラは、暗い話になり、会社の士気が落ちます。
それを見ている若い人たちは、いずれ、自分たちの順番がくることを感じ、それに対して防御するようになります。
その防御が、自分の能力を高めて、会社業績を向上させるという方向に向かえばよいのですが、残念ながら、業績がよくてリストラのない会社を探しはじめます。
特に、若くて優秀な社員は、そのような会社に転職できる可能性が大きいので、残るのは、転職する自信のない社員ばかりになります。

このようにして、社員の新陳代謝は進みますが、それに伴い、社員の年齢構成や平均年齢が変化します。
会社の事業内容によって異なりますが、一般的には、平均年齢が20歳台だと若い会社、40歳台だと高齢化した会社をイメージします。
30歳台前半はその中間で、ちょうど、今、活躍しているという感じです。
実際に職場をみても、年齢バランスや仕事のバランスがとれていて、一番元気があるようです。
もちろん、年齢的(肉体的)な若さと、精神的な若さは異なるかもしれません。
最近は、生活環境の相違から、若くても疲れやすくて無気力な人や、中年でもスポーツなどを通じて、身体も健康で、やる気も満々という人が増えています。
さらに、少子化が進んでいくこれからは、平均年齢だけで会社の若さを論じるわけにはいかないでしょう。

このような、さまざまな要因を含む人的環境の中で、組織の新陳代謝を図っていくときに考えるポイントには、次の5項目があります。

@ 仕事に必要な能力と、社員の能力を検討して、仕事に人を配置する。
A 男性、女性、年齢などの属性よりも、その人が持っている能力を重視する。
B 能力を向上させる仕組みと、発揮させる場や評価の仕組みを作る。
C 同じ人が、同じ仕事を、長く続ける弊害を避けるため、5年以内で仕事を変える。
D 常に、会社の再構築(よい意味でのリストラ)を行い、適材=適業を図る。



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