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書籍:小さな会社だから勝ち残る
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第2章 組織力の効果的な高め方


3 情報の中間在庫をなくす「フラット組織」

いろいろな会社の組織を見ると、非常に多くの階層からできているように思います。
社長からはじまり、副社長・専務・常務・工場長・部長・次長・課長…一般社員というように、10以上の階層からなっていることがあります。

これでは明らかに、情報が、タイムリーかつ正確には伝わらないはずなのですが、表面的には、階層が多い会社ほど整然と情報が流れていて、大きな「問題」もなさそうです。
しかし、そう見えるのは、問題が各階層の管理者に「蓄積」されていているからです。
つまり、問題が、「中間在庫」の状態で潜在化してしまっているのです。
なぜなら、それぞれの管理者は、部下からあがってきた問題を、自分の手で解決しようとして抱え込み、また、上司から指示された課題を、どのように部下に展開しようかと考えて抱え込んでしまうからです。
そういったことが組織の各階層で行われ、下からの問題や上からの課題は、各管理者に蓄積されて潜在化します。
だから、一見問題がないように見えるのですが、実際は問題の塊です。
これらの潜在化した問題が、何かの調子で顕在化したときには手遅れです。
多階層組織では、情報が正確に流れにくいこととともに、このような「問題の潜在化現象」があります。
この現象をなくすには、組織の階層を少なくしフラットにすることです。

また、管理者が行う「判断」という仕事ですが、多くの会社は、それぞれの役職に応じて、判断できる基準を設けています。
だから、社員から提起された案件は、その上司が自分で判断できるものとできないものに分け、判断できないものは上司の上司にゆだね、…というように、ひとつづつ組織の階段を上がっていきます。
こうして、先ほどの問題の潜在化現象と同じように、「判断の潜在化現象」が発生して、判断がタイムリーに行われず、その結果、企業の機動力は著しく低下します。
さらに、組織の階段を上がるごとに結論が右や左に振れ、それも、何か理由のわからないことで変わっていくので、提案した社員は、ちんぷんかんぷんです。
このような案件を、最終に社長が決断するときには、最初に、その案件が提起されたときからかなり様相を変え、内容がすっかり変わってしまうこともあります。
そして、社長も内容が不明確で判断ができないので、提案した社員を呼び出して確認するといった、不合理極まりない状況が出てきます。
このようなことが、大きな企業では日常茶飯事です。
また、大企業の管理者の仕事は、いかにうまく差し障りなく判断していくかであり、その判断が、会社の利益に結びつくかどうかはあまり関係がなくなります。
極端にいえば、自分に責任がかからないような判断をするようになるのです。
以上のことからも、組織の階層はできるだけ少ないほうがよいと考えています。

もちろん、組織の階層が少なくフラットになれば、それだけ経営者の人たちは、多くの部門の業務に精通していなければなりません。
だから、一生懸命に勉強することが必要ですが、これは当たり前のことです。
組織の階層を多くするのは、経営者の責任逃れという面と、勉強逃れという面があるようにも思います。

会社の規模が小さいときは、組織の階層は3つ、一般社員と、彼らをまとめるグループの管理者、そして社長でよいのではないかと考えています。
グループ内で判断できるときは管理者が行い、他のグループに関係するときは、関係する管理者が協議して案を出して、社長が判断するようにします。
そして、徐々に会社が大きくなると、副社長をおいて、判断の役割分担を行います。
このような組織にすると、多くて、一般社員・管理者・副社長・社長の4階層になり、それぞれが判断できる基準を決めて、経営を行うことになります。
実にシンプルな、「フラット組織」になります。
そして、このようなフラット組織がうまく機能するように、全社員は自分の能力を磨いていけばよいのです。

社員数が100人前後で、管理者が、30人〜40人もいる会社を見受けます。
このような会社にかぎって、問題が山積し、それぞれの管理者は、誰が何を解決してくれるのかと「傍観者」になっています。
管理者を、1人づつ少なくしていくか、組織の階層を、ひとつづつ減らすことから、組織の改革に着手されてはいかがでしょうか。


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