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書籍:小さな会社だから勝ち残る
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第1章 会社の活力化を目指す


4 会社は「誰のもの?」

会社を作るときには、株式会社では、1000万円以上、有限会社では、300万円以上の資本金が必要です。
この資本金で、会社経営に必要な、土地・建物・機械・原材料などを購入し、社員を雇い入れて、製品やサービスを顧客に提供します。
当初、資本金を出したオーナー社長は、自分の会社がつぶれないように、また、安定して経営ができるように、そして、少しでも大きくなるように、24時間を仕事にあてます。
もちろん、銀行からお金を借りるときは、オーナー社長個人の財産を担保に入れます。
だから、会社を作ったときは、会社は、資本金を出した人(オーナー社長)のものです。

こうして、オーナー-社長は、全精力を使いながら経営を続け、零細会社は徐々に大きくなり、中小企業としての規模に育ちます。
この段階では、経営の拡大に必要な、土地・建物・機械類への投資のため、資本金は増資を行っており、数千万円以上と設立時の数倍に膨らんでいます。
その資本金は、オーナー社長自身の出資か、また、オーナーの家族や一部の社員が出資していますが、会社は、依然として、株式の過半数を持っているオーナーのものです。
しかし、会社を実質的に引っ張るのは、社長一人の状態から、取締役を含めた数名にまで膨らんでいます。
これからは、社員1人1人が自ら全力を尽くし、しかも、組織力を活かした経営をしないと、これ以上大きくならない規模になっています。

そして、資本金が中小企業の範囲(製造業は1億円、小売・サービス業は1000万円、卸売業は3000万円)を超え、また、株式上場などをする規模になると、金融機関を含む多くの人が株式を所有し、オーナー経営色が薄くなります。
よくいわれる、「所有と経営の分離」がはじまる段階です。
この時点では、会社は多くの株主のものになっていますが、少数株を持っている多くの株主には、自分の会社という意識はあまりありません。
もちろん、社長も、多少の株式を持っていたとしても、以前のような、「会社は自分のもの」という意識は薄れています。
そして、会社経営は、専務・常務などを含む複数の経営者層で、組織的に運営されるようになりますが、それらの経営者には、会社は自分のものという意識はありません。
しかし、それとは反対に、彼らの会社や地位への帰属意識、すなわち、頼る気持ちは強くなっていきます。

このように、会社が設立されてから大きくなる過程で、会社は誰のものかということについて、一般的な考え方でみてきましたが、多くの中小企業はオーナー経営であり、会社はオーナーのものです。
そして、会社がオーナー社長のものであれば、その会社で決まることや運営されることは、オーナー社長に有利なようになります。
しかし、それが強くなりすぎてしまい、結局は、「小さな利」しか得られないのです。

私は、会社を設立した早くの段階、また、中小企業の段階で、「会社は社員のものである」という考え方を、会社理念に加えたほうがよいと考えています。
そのほうが、会社の成長速度はぐっと速くなると思います。
なぜならば、会社は社員のものであるとするならば、オーナー社長を含めた全社員が有利になるように、物事は決まり運営されます。
そうすると、全社員は、それを、さらに有利なものにしようと必死に働きます。
その結果、オーナー社長から全社員までが、大きな利益を得ることになるのです。
これは「大きな利」です。
そして、すべての人が満足し、幸せになります。

会社目標は、「社員に公正に幸せを与えることである」とし、さらに経営理念に、「会社は社員のものである」とすれば、働く目的が自分のためであり、一生懸命に働いた結果として繁栄する会社が自分のものであるため、社員は本音で必死に働くことになります。

私は、オーナー社長最優先の経営で、社員が不平不満を口にしながら、力を出しきらずに働いている姿を数多く見てきました。
そして、その不満不平のエネルギーを仕事に向ければ、社長を含む全社員が、もっともっと多くの「利」を得ることができると考えています。
 「会社は社員のものである」という理念を作り、それにそった経営方針を打ち出し、そして、全社員で実行しくことの効果は計り知れなく大きいでしょう。



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