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書籍:小さな会社だから勝ち残る
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第1章 会社の活力化を目指す


2 社員をやる気にさせる「会社目標」


会社は、何を目標に進んでいけばよいのでしょうか。
「世界で一番の会社になる」、「○○業界で先駆者になる」などの、他社との比較目標、また、「売上高100億円」、「利益率20%」といった数値目標、さらに、「○○分野で社会貢献する」、「お客様に満足を与える会社になる」などの、社会意義的な目標などがあり、どれも、全社員が目指すに、十分に価値のある目標です。
さらに、単刀直入に、「儲けること」もよい目標です。
特に、オーナー会社の社長は、「経営とは儲けること」と本音で話されますし、社員も理解しやすいと思います。

しかし、ここでもうひとつ考えるべきことは、会社目標は、「全社員の本心から共通した進むべき方向」でなければならないことです。
たとえば、会社目標として、「売上高100億円」と決まっていたとしても、本心では、Aさんは、「世界で一番の会社になる」を、また、Bさんは、「利益率20%」を、そして、Cさんは、「お客様に満足を与える会社になる」を目標にしていたら、それぞれの目標は立派でも、何かを判断する場面でくいちがいが出てきて、組織力を発揮できないことがあります。

そこで、「全社員の本心から共通した進むべき方向」として、次の目標が考えられます。

この目標に対しては、どの社員も賛成するはずです。
「お客様が最優先で、社員はその犠牲になってもよい」なんて考える人は、誰もいないでしょう。
そして、「社員が公正に幸せになる」を直接的な目標に掲げて、売上高や利益率などの会社方針を決めていくと、全社員が本心から共通した目標になります。
しかし、オーナー経営者の中には、「社員には十分に給料を出しているから、幸せなはずだ。だから、会社の儲けはすべて自分のものだ」と言う人がいます。
このような会社では、「生産性向上」や「原価低減」などの経営改善を進めようとすると、どの社員も、特に取締役や部長クラスの人たちが、その目的を、「社長の懐を増やすため」と理解します。
そして、「なぜ、社長だけのために、自分たちは一生懸命に改善をしければならないのか、今のままで十分だ」ということになり、改善をスタートすることが困難になります。

ところで、「社員が公正に幸せになる」という目標を掲げたら、「会社に甘さが生まれるのではないか」、「社員が、自分たちのことばかりを主張して、統制がとれなくなるのではないか」と心配されるかもしれません。
しかし、社長を含むすべての社員は、みんな、自分の幸せのために働いているのです。
それぞれが、より多い収入を安定的に得るために、また、より面白い仕事をするために、そして、より高い地位に就くことを望んで一生懸命に仕事をしているのです。
だから、それらを満たす、「社員が公正に幸せになる」という目標は、全社員が、「よりよい仕事」を一生懸命にする、大きな動機付けになります。
また、自分たちのことばかり主張して会社に利益があがらなければ、それぞれは幸せにならないということを、全社員は理解しています。
だから、統制がとれなくなることはありません。
もちろん、「公正に」ですから、仕事の成果に応じて待遇が決まることは当然です。

このような基本的な考え方をもとに、全社員が、「自分のよりよい仕事とは何か」を、自社のおかれた立場や自分の役割から考え出し、それに向かって、全社員が本音で変革していくところに、会社目標の意義があると考えています。


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