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書籍:小さな会社だから勝ち残る
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第1章 会社の活力化を目指す


1 よい会社には「活気」「変化」「厳しさ」がある


利益のあがる、よい会社に改革していくときには、「これから目指す、よい会社とは、どのような会社であるか」を、心に描いておくことが大切です。

その判断材料として、誰もが考えるものに、売上高や利益率、また、資産や負債、そして、流動比率や自己資本比率などのように、決算書から読み取れる、定量的な「経営成績」があります。
しかし、ここで取り上げるのは、会社の事務所や工場、また、営業所などで、実際に仕事をしている現場を見たときに感じられる、定性的な「感覚」です。
なぜなら、決算書にあらわれる「現在の経営成績」は、「過去の仕事の結果」であり、その間には、時間的に数年程度の大きな「ずれ」があるからです。
すなわち、現在経営成績がよいのは、数年前の過去の仕事がよかったからで、必ずしも今の仕事がよいからとは言えないのです。
だから、よい仕事をして利益のあがる「よい会社」は、現在の経営成績よりも、実際の仕事の場で感じられる、次の3つの「感覚」で判断したほうが正しいのです。

(1) よい会社には「活気」がある
経営コンサルタントとして多くの会社を見てきた経験ですが、事務所や工場に入ったときに感じられる「活気」は、その会社の「よさ」をあらわします。
社員の方々と、「おはようございます」とか、「こんにちは」といった挨拶をするときに感じられる活気、仕事をしているときの動作や会話から感じられる活気、また、工場の機械の稼動から感じられる活気などがありますが、それらの活気は、社員の仕事に対する情熱や意気込みのあらわれです。
活気と同じようなものに、「ばたばたした忙しさ」や「あわただしさ」がありますが、これはダメです。
ばたばたした忙しさやあわただしさは、仕事がうまく進んでいないときの、「トラブル処理」という、後ろ向きの仕事をしているときに感じられ、見かけは活気を出す動きと同じであっても、その人の顔を見ればちがいがわかります。
後ろ向きの仕事をしているときの顔は、輝いていません。
暗い表情や、苦虫をつぶしたような顔をしています。
だから、社員が情熱を持って輝いた顔で仕事をしている会社、すなわち、「活気を発している会社」は、社員が持てる能力を十分に発揮しています。
これは、まちがいなく「よい会社」です。

(2) よい会社は、常に「変化」している
会社が勝ち残っていくための必要条件は、会社を取り巻く経営環境への「適応」です。
これは会社だけでなく、人間や動物の社会でも同じです。
よりうまく環境に適応できたものだけが、生存競争を勝ち抜いて社会に生き残り、繁栄していくのです。
そして、今、会社を取り巻く経営環境は激変しています。
その激変する環境変化に適応していくことは、会社自体が急速に変化していくことであり、その「変化」が、勝ち残りの必要条件になります。
では、何を変化させるのかですが、会社には変化させる対象は数多くあります。

まず、顧客に提供する製品やサービスがあります。
会社が提供する製品やサービスを顧客が受け入れてくれなければ、売上高が減少して、すぐに倒産です。
そうならないように、現在の製品やサービスを、顧客の要望により受け入れられるものに変化させていくことが必要です。
すなわち、顧客の欲しがる製品やサービスを見つけ出すこと、また、製品やサービスのQ(品質)・C(原価)・D(納期)をレベルアップすることです。

次に、製品やサービスを作り出す「4M・I」の変化があります。
  ・1M … Man  (人)
  ・2M … Machine  (機械)
  ・3M … Material  (材料)
  ・4M … Method  (方法)
 ・I  … Information (情報)
Man(人)に関して変化させるものは、社員の目標や役割、仕事への意気込みや能力、また、組織などがあり、(Machine)機械では改造や最新鋭機の導入、さらに、レイアウト変更などがあります。
Material(材料)では、新材料の採用や仕入先の変更、Method(方法)では、新たな作業標準や事務標準への変更、Information(情報)では、業務のパソコン化や情報ネットワークの構築などがあります。

さらに、これらの4M・Iを動かす経営方針、また、その根底にある企業風土や企業体質といわれるものまで無数にありますが、これらの何かが日々変化していないと、会社を取り巻く環境の変化に取り残されます。
そして、その日々の変化が一ヶ月単位では目に見えたり、また、肌で感じられることが必要です。
ときどきお越しになるお客様から、「貴社は、いつも何かが変わっていますね」と言ってもらえるようなら、よい会社であると思います。
もちろん、その変化がよい方向であることは大切ですが、変化している限りよい方向は見つかります。
変化しないと取り残されることは、まちがいありません。

(3) よい会社には「厳しさ」がある

よい会社に必要な、「活気」と「変化」を生み出すには、「厳しさ」が必要です。
その厳しさとは、目標に向かってチャレンジする意欲と、行動する意志です。
けっして、長時間フルに働くとか、肉体的な重労働、また、上司や組織への忠誠などを意味するのではありません。
なぜ、厳しさが必要なのか。
人は、動物的な自己防衛本能から、無意識に、エネルギーの消費を節約し蓄えようとします。
つまり、エネルギーを使わない、「静」と「安定」を望むのです。
一方、「活気」と「変化」には、大きなエネルギーが必要です。
そこで、本能に反してエネルギーを出させる「厳しさ」が必要なのです。
この厳しさは、全社員が持たねばなりませんが、特に、その会社の社長や管理者が率先して、自分自身に対しても、部下に対しても出していくことです。

このような、「活気」「変化」「厳しさ」をひとまとめにして「活力」と考えていますが、この活力のある会社が、これから目指す、「よい会社」であると考えて、経営改革に取り組むことが大切です。
また、この活力を作り出すのは「社員」です。
だから、会社の活力化には、社員の「意識力」や「仕事力」のレベルアップが必要なことになります。

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