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書籍:勝ち残るリーダーシップ
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1章 学ぼう!「優秀なリーダーの考え方」  


13.「摩擦」を起こすと組織は活性化する
    /メンバーの考え方を統一するときに摩擦が発生する
   /摩擦は進歩のエネルギーである
   /摩擦熱が問題を顕在化する


リーダーとしてグループや組織をまとめていこうとすると、リーダーが考えていることと、メンバーが考えていることに食い違いが発生します。
また、メンバー同士の間でも考えていることの相違があります。
この考え方の相違はあって当然のことなのですが、大切なことは、これをどのように収集してまとめ、そして、リーダーの考える方向に引っ張っていくかです。

基本は、話し合いにより考え方を統一して、全員が納得してから行動を起こすべきなのですが、全員が納得するということは現実的には困難です。
たとえば、5人のグループであることについて話し合った場合に、3人はそれを納得して行動に移ろうとします。
もう1人は、そのことに納得できずに反対します。
残りの1人は、どちらでもよいというニュアンスです。
このような場合、時間をかけて徹底的に話し合えば、かなりの線まで近寄ってくることはできるかもしれませんが、やるべきことが多くあると、ひとつのことにだけに多くの時間をかけることはできなくなります。
もちろん、基本的な目標の意義や考え方について相違があるならば、ある程度時間をかけて、お互いの考え方を統一しておくことは必要です。
しかし、相違点が枝葉のことであるならば、リーダーの意見に従わせるということも必要です。

そして、この場合にリーダーは、メンバーとの間に人間関係の摩擦が生じることを知っておく必要があります。
また、それを覚悟しておく必要もあるでしょう。
しかし、人間関係の摩擦を生じないで、物事が進むのがよいというわけではありません。
たまには摩擦が生じて、その摩擦熱をバネにして、人間関係をさらによい方向へもっていくことも必要です。
また、実際に、よい方向へもっていくことができるのです。
なぜならば、人間関係の摩擦というのは、それぞれの人の物事に対する情熱から出てくること、そして、その摩擦熱が、物事に対する考え方をグループの中に調和させるエネルギーになるからです。
「雨降って地固まる」とか「喧嘩の後の兄弟名のり」と言われますが、リーダーもメンバーも、ものごとに対してよくしていこうという情熱や執着心がなければ摩擦は生じるものではありません。
自分の考え方をしっかりと持っている人同士が、同じ目標に向かって行動しようとするときに、その考えに対して執着すればするほど摩擦は強くなっていくのです。

しかし、摩擦熱で自分の理性が燃えてしまう、つまり、摩擦によって発生した熱で頭に血がのぼり、感情的になって話すようではだめです。
この熱を、「感情」というエンジンに注ぐのではなく、「理性」というエンジンに注いで、その燃料にするように努力するのです。
こうして、人間関係の摩擦を「理性」でとらえることができたならば、世の中から人間関係の問題は激減するはずです。

常識で考えても、足と地面との間に摩擦がないことには、われわれは歩くことができません。
また、自動車を加速したり停止することもできません。
間違いなのは、加速するときにブレーキを踏んだり、停止するときにアクセルを踏むような摩擦の使い方です。
このようなまちがった摩擦の使い方は、身近な人間関係においてもときどき見られますが、会社の中では、ほとんどの人は摩擦を避けて仕事をしようとしているように思います。
表面的にはそれで仕事がうまく進んでいるように見えますが、多くの問題が潜在化しているにすぎないのです。
もっともっと会社の中に摩擦を起こし、潜在的な問題、特に、人間関係や組織、目標に関する問題を、上手にクローズアップしていくことが組織の活性化につながると考えています。


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