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書籍:勝ち残るリーダーシップ
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1章 学ぼう!「優秀なリーダーの考え方」  


11.人を「やる気」にさせる
    /人が行動を起こす要因を知る
   /人のためになることを考えて指示をする
   /人の考え方と行動を認める


複数のメンバーをまとめて、ひとつの目標に向かって行動させていくリーダーにとって、人をやる気にさせることは、非常に大きな課題です。
いくら立派な経営戦略や戦術を作ったとしても、それを実行する社員が前向きな「やる気」を持って仕事に取り組まなければ、思ったような結果は得られません。
結果は、社員の「やる気」しだいです。
しかし厄介なことに、やる気を持っているのか、やる気をなくしているのか、表面的にはなかなか見分けることはできません。

人をやる気にさせるためには、人が行動を起こす要因にはさまざまなものがあり、また、その時の状況によって大きく異なるため、それを理解した行動が必要です。
その要因を探るために、行動科学という分野で、昔から多くの方々によって研究がなされてきました。
代表的な理論に、「マグレガーのX‐Y理論」、「マズローの欲求5段階説」、「ハーズバーグの動機付け―衛生理論」などがあります。
マグレガーのXY理論は、「人は本来怠け者であり、ほっておくとさぼろうとするX理論」と、「ほっておいても立派に仕事を成し遂げようとするY理論」の2つのを面を人間は持っているというものです。
ただし、現実はケースバイケースによって、人はX理論に基づく行動をしたり、また、Y理論に基づく行動します。
マズローの欲求5段階説は、人は次の5つの欲求、「生理的欲求」→「安全の欲求」→「社会的な欲求」→「自我の欲求」→「自己実現の欲求」が、矢印の方向に順次満たされるように行動を起こしていくというものです。
また、ハーツバークの動機づけ‐衛生理論は、行動を動機付ける要因として「仕事の達成感や昇進」があり、「給料や人間関係」は、満たされても動機付けの要因にはならないが、ないと不満足の要因になるというものです。
経営コンサルティングのいろいろな場面を振り返ってみると、これらの理論はなかなか的を得ていると思っています。

このほかにも多くの理論によって人の行動が解析されていますが、あまり複雑に考えなくても、人を動機付ける基本的な考え方があります。
それは、「その人のためになることを考えて指示する」ということです。
ほとんどの人は、自分のためになることを考えて指示をしてくれるならその指示に従うでしょう。
しかし、それが、指示をした人だけのためであるとか、また、自分にとって不利なことであるならば、人はやる気になりません。
だから、基本的には、人のためになることを考えて指示してあげればよいのです。
では、人がいやがることさせるにはどうすればよいのでしょうか。
リーダーの立場になると、そういう場合が出てくると思われます。
そこで強い口調になったり、また、上司の命令だとして職権ばかりさらけ出していては、人は動くかもしれませんが、本心からの行動は望めません。
つまり、いやがることをさせるのは基本的には無理なのです。
誰だってそうでしょう。
いくらお金を出すからいわれても、「いやなものはいや」という人が多いものです。
しかし、「いやがること」でも「その人のためになること」はあります。
簡単な例が、「子供の勉強」です。
子供は勉強をいやがりますが、子供のためになることは確かです。
つまり、人が嫌がることでも、その人のためになる理由を見つけ出して、それを説得しながら相手に指示するようにすることです。

さらに、人をやる気にさせるには、その人の「考え方」と「行動」を認めることです。
自分の考え方と異なることを認め、そして、自分の考えを話し、それを理解させて方向転換させるのです。
人は、自分が認められると、その人の言うことを聞くものです。
だから、まず相手を認めることが大切です。
いくら正論であっても、「君の考え方は違っているから、これからはこのやり方でやってくれ」と指示すれば、いやいや動くことはあっても、心から動くことはありません。
このような場合には、「君の考えは正しいが、こういうやり方をすればもっとよい結果が出るよ」といったように、相手の考え方や行動を認めながら、自分の考えていることを指示することです。
つまり、「相手に一歩譲って、そして自分の思いを相手に伝えていく」という話し方が必要です。


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