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書籍:勝ち残るリーダーシップ
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1章 学ぼう!「優秀なリーダーの考え方」  


10.よい情報より「悪い情報」を聞く
    /利益獲得のためには悪い情報が必要である
   /悪い情報は上に伝わりにくい
   /悪い情報は本当は良い情報である


情報には大きく分けて2つの種類、ひとつは耳に心地がよい「よい情報」、もうひとつは胸に“ズキーン”とくる「悪い情報」があります。
ところで、会社は問題の塊です。
会社と会社の競争では、当然、「よい製品を、できるだけ早く、できるだけ安く」顧客に提供することが課題になりますが、その基本は、多くの小さな問題をできるだけ早く解決できるかどうかです。
この、問題が発生したり拡大したときが「悪い情報」で、解決されたときが「よい情報」になります。
会社の目標である利益を獲得していくには、この問題をできるだけ多く、そして、できるだけ早く解決することが必要です。
そのためには、問題ができるだけ速やかに、かつ、できるだけ小さい間に解決できるように、しかるべき人に情報として伝わっていくことが大切です。
そうしなければ、問題は日常の仕事の中に潜在化してしまい、解決されるどころか、その問題の処置が「日常の仕事」になってしまいます。
残念ながら、このような会社が数多く見受けられます。

なぜそうなるか、それは、情報を聞く方としては、よい情報の方を聞きたいからです。
また、人によっては、悪い情報を聞かされると怒ったりする人がいます。
このような人がリーダーにいると、部下はよい情報しか話さないようになります。
あえて悪い情報を話して、リーダーから怒られたくないからです。
その悪い情報がどうしようもなくなった時点、つまり、お手上げの時点でリーダーに報告しますが、当然その時には手遅れになっています。

ところで、職場の問題解決の中心となるのは、このリーダーと言われる人たちです。
だから職場のリーダーには、常にさまざまな問題が、部下や他部門の人たちからできるだけ多く情報として伝わってくることが必要です。
情報として伝わってくれば、その問題をどのようにして解決していくかはいくらでも考えることができます。
もちろん、仕事がうまく進んでいる状態のよい情報を聞くことも大切です。
仕事がうまく進んでいる要因を探り出し、さらにそれをよくするために、いろいろな方策を打つことができるからです。
しかしながら、一般的によい情報は、ほっておいても必ず伝わってくるものです。
それも、大きく誇張されたり、何倍かに拡大されて伝わってきます。
だから、「話半分に聞く」というような言葉があるわけです。
情報収集で大切なことは、悪い情報を、いかに正確にいかに早く収集するかということなのです。
そのためには、「よい情報より、悪い情報に耳を貸す」ということが必要です。
悪い情報を聞く耳を持たずに企業収益が悪化していく、また、倒産する事例がたくさんあります。

ところで、多くの問題は現場の中に潜んでいます。
現場というのは、製造の現場、販売の現場、事務の現場などですが、そこで働くメンバーやリーダーは現場を毎日見ていますから、問題に気付きそれぞれの問題の大きさをよく知っています。
そして、その問題を放置すれば、どのような大きな問題に発展していくのかということもよく知っています。
しかし、その上司であるリーダーは現場から離れています。
1週間に1回、また、1カ月に1回は現場を見に行くこともあるでしょうが、そのぐらいでは、問題を実感として感じることはなかなかできません。
また、たまに行くとなると、そのときには問題はカモフラージュされて(隠されて)いることが多いものです。

だから、結局のところ、現場のリーダーから伝わってくる情報だけを頭で聞いて、その問題を把握し、理解するわけです。
そして、現場のリーダーから悪い情報を聞いた上司のリーダーは、自分の上司であるリーダーにその悪い情報を伝えることになりますが、それが非常にイヤなのです。
なぜなら、上のリーダーであればあるほど、その問題の大きさが実感として分からなくなる一方、上司に報告したときに上司から怒られること、また、嫌な顔をされることが、そのリーダーにとっての大きな問題になるからです。
だから、できるだけ悪い情報を伝えないようにします。
もちろんよい情報は、上司が喜んでくれるので自分の評価があがりますから、積極的に伝えようとします。

このような、組織における「よい情報と悪い情報のそれぞれの意義」をよく考えて、悪い情報が素早く伝わるような「組織づくり」や「人の考え方づくり」をすることが非常に大切です。
また、リーダーとして悪い情報を聞く耳を持つこと、できれば、悪い情報というような悲観的な考え方はせずに、「良薬、口に苦し」で「悪い情報は本当はよい情報である」といった考え方で情報収集をすることも大切でしょう。

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