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書籍:勝ち残るリーダーシップ
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1章 学ぼう!「優秀なリーダーの考え方」  


6.表面的な現象からその「本質」を見抜く
    /現象から本質を見抜き判断する
   /本質を決め付けない
   /複数の本質を考え尽くす


われわれは、人や物を見るときに2つの見方をします。
ひとつは、表面的な「現象」を見る見方で、もうひとつは、その現象の奥に潜む「本質」を見抜く見方です。
われわれは、人や物を見て次の行動に移る判断をする場合には、表面的に見られる現象から本質を見抜き、必ずその本質をもとに判断することが大切です。
なぜなら、表面的に見える現象から判断すると、正反対の間違った判断をすることが多いからです。

たとえば、会議中に「眠たそうにあくびをしている人」を見て、「この人は仕事に一生懸命になっていない」と判断するのは間違っていることがあります。
この場合、現象は「会議中に眠たそうにあくびをした」ということで、判断は「仕事に一生懸命になっていない」ということです。
その人が、会議中にあくびをしたことは事実です。
しかし、その現象から、「この人は仕事に一生懸命になっていない」という判断は正しいかどうかわかりません。
なぜなら、「眠たそうにあくびをした」という表面的に見える現象の奥に、その本質があるからです。
この例では、本質というのは「真の理由」です。
そして、真の理由となるいろいろな理由が考えられます。
たとえば、「前日の夜に遊びすぎて寝るのが遅くなった」、「今日の会議資料を作るのに前日夜遅くまでかかった」、「体力がなくて疲れていた」などです。
前日の夜の遊び過ぎで寝るのが遅くなったことが理由であれば、その人は仕事に対して一生懸命になっていないと判断して間違いないでしょう。
もちろん、その人が仕事に対して一生懸命にならない理由、たとえば、「その仕事が面白くない」、「その仕事が向いていない」、「その他に気になることがある」などの背景があるでしょうから、その事情を考慮して対応することが必要です。
しかし、今日の会議に間に合わせるために、昨晩遅くまでかかって資料を作ったとしたら、それも、前日会社から帰る時に資料の作成を上司に指示されたとしたら、それは、仕事を一生懸命にした結果として睡眠時間が短くて眠たかったのです。
だから、この理由の場合には、「その人は仕事熱心である」という判断をすることができます。
また、体力がなくて、さらに、最近疲れすぎていたことが理由であれば、これは、仕事に一生懸命になっていないかどうかといった問題ではなく、「その人が持っている体力が足りない」と判断するのが正しいと思います。

非常に簡単な例で説明しましたが、われわれは、表面的に見える現象からその本質(真の理由)をあまり考えずに判断し、行動をしていることが多いように思います。
そして、その本質が当たっていなければ間違った判断になり、それにもとづく行動の結果は不満足なものになってしまいます。
だから、正しく本質を見抜くような、人や物の見方をする必要があるのです。
この正しい本質の見抜き方をマスターするには、現象にとらわれずに、いくつかの本質候補を考える癖をつけることです。
先程のように、1つの表面的な現象からいくつかの本質候補があることを考えて、そのどれに該当するかを探るのです。
必ずいくつかの本質候補があり、それを考える「癖」をつけることです。

ところで、人には、ある現象を見てその本質は「ひとつである」と思い込む固定観念があり、それが間違いのもとになります。
 たとえば、「ある人が夜遅くまで遊んで眠たそうな顔している」ということが何回か続くと、その人が眠たそうな顔をしているのを見たとき、きっと昨日の夜も遅くまで遊んだに違いない考えてしまうのです。
 もちろん、この人の場合にはそれが当たっているのかもしれませんが、他の人を見た時にも同じ固定観念が働き、「眠たそうなのは、きっと昨夜遅くまで遊んだに違いない」と連想をしてしまいやすいものです。
 だから、現象から本質を考える場合には、固定観念というものを意識的に排除することが大切です。

そのために、表面的に見える現象の奥には「どんな本質があるのかなあ」といったことを考え、考え尽くす癖をつけることです。
そして、「人を見抜くことは、その本質を見抜くことである」ということを、優秀なリーダーを目指す人は肝に銘じておきたいものです。

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