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書籍:利益のあがる勝ち残り工場経営
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1章 経営成績と改善ポイント  &ちょっと休憩「使えば貯まる金・体力・知識」


1. 収益力は会社の健康状態をあらわす

 製造業の会社は製品を開発・生産し、その製品を顧客に販売することによって売上をあげて利益を得ているが、会社の「収益力」を示す利益には次の3つがある。
@ 売上総利益=売上高−製造原価
A 営業利益 =売上総利益−販売費
B 経常利益 =営業利益+営業外収益−営業外費用
        営業外収益:受取利息・有価証券売買益
        営業外費用:支払利子・割引料
 売上総利益は「開発力・生産力」を、営業利益は「販売力」を、経常利益は「総合力」をあらわすが、これらは絶対金額で評価するよりも、売上高に対する比率を同業他社と比較したり、自社の増減傾向を分析したほうが収益力についての客観的なデータが得られる。
 収益力とは、現在の経営活動で利益を獲得する力で、それが大きいと「成長力」や「財務力」を高めることができる。一方収益力が他社より小さければ成長速度は遅く、反対に低下傾向だと衰退の道を歩んでおり、いずれ赤字になり倒産にもつながる。
そのため収益力をきちんと数値でつかみ、同業他社よりも低かったりまた低下傾向が見られたら、現状の経営に大きくメスを入れて収益力を高める経営改善を早急に行うことが必要である。
収益力が低い会社は、人間で言えば風邪を引いた状態で、いつ大病になるかもしれない。まず健康になることが先決である。
一方収益力が高い健康な会社は、将来にわたりそれを維持する未来先取りの経営改善や、成長を加速させる経営改善を行うことにより、さらに大きな夢に向かって邁進することができる。


2. 成長力は新陳代謝のもとになる

 会社の成長力を見る場合、生産量や売上高の増加、営業所や工場の新設、また社員数の増加といった目に見える量的成長と、企業体質の強化という目に見えない質的成長の2つの見方がある。
 量的成長はいわば企業規模の拡大であり、マーケット(市場規模)が拡大している場合には、量産効果による大きなコストメリットにより利益が増加するが、マーケットが飽和すると過当競争が始まり、量的成長が質的成長を阻害するようになる。
一方の質的成長は、量的成長に比べて表面的には見えにくく数字ではつかみにくい。たとえば製品の開発技術力や生産技術力、営業力や管理力、そしてもっと漠然とした組織力などがあるが、会社が量的成長しているときには、これらの質的成長も絶対に必要である。
質的成長の伴わない量的成長は膨張であり、図体だけが大きくなった子供で、いずれは行き詰まる。
 だから経営改善においては、この量的成長と質的成長の2つの成長を分けて考え、どちらか一方にかたよらないことが大切である。理想的には量的成長と質的成長の2つが並行して進展していくことであるが、実際的には外部環境の変化を見ながら3〜5年サイクルで、交互に経営方針の中で重点を移し変えて設定してもよい。
企業の寿命は30年といわれるが、このような量的成長・質的成長がなくなる時に企業の新陳代謝は停止し、後は惰性で倒産するまでただ生き延びるだけになる。
日々の生産と販売に奔走するだけでなく、それぞれの企業に適した成長戦略を持って計画的に実行していくことにより、新陳代謝が行われて企業の活力が保てる。


3. 財務力は経営改善の積み重ねの結果である

 財務力を読む指標の代表的なものとして「流動比率」と「自己資本比率」があるが、どちらも過去から現在に至る経営改善の積み重ねの結果であり、決して一朝一夕によくなるものではない。
 流動比率=流動資産÷流動負債×100% で、一般的には200%以上が好ましく、この比率が高いほど支払手形や買掛金などの流動負債に対する支払能力が高く、当面必要なお金(資金繰り)の心配をする必要は少なく、また倒産の可能性は小さい。
 この流動比率を高めるには前式から見て、流動資産を多くするか流動負債を減らすかであるが、基本的には流動資産の中の製品在庫や原材料在庫を削減し、それに相当する流動負債を減らして、結果的に流動比率を高める経営改善が望ましい。
自己資本比率=自己資本÷総資本×100% で、総資本に占める自己資本の割合、ひとことでいえば借入金の少なさをあらわす。日本の中小製造業の平均は33%で、この自己資本比率が大きいほど、借入金が少ないため支払利子が小さく経常利益は大きくなる。また手持ち資金が多いため経営が安定する。
自己資本比率を高めるためには、先ほどの流動比率の改善や遊休資産の土地・建物・設備の売却などの方法がある。
 しかし、会社の規模を大きくする場合、自己資本だけではまかないきれず借入金に頼ることになり一時的には自己資本比率が小さくなることがあっても、計画的に借入金の返済を行い自己資本比率を高めていくことができれば問題はない。だから、採算がとれにくいまたリスクの高い投資のための借入金は、財務力を損なう恐れがあるため慎重にしなければならない。


4. 収益力・成長力・財務力とこれからの経営方向

収益力・成長力・財務力の各指標について過去3〜5年の自社の推移、および同業他社との比較を景気変動と照らし合わせて分析すると、客観的な経営の評価ができこれからの経営の方向がつかめる。
@ 収益力・成長力・財務力ともに優れている会社は、過去から現在までの経営がマトを得ていて素晴らしい。これからの経営環境の変化を見誤らず、また現状に甘んじることなく常に危機感を持って経営改善を着実に進めていくことである。
A 現在の収益力は優れているが成長力や財務力が劣る会社は、過去の経営不振に打ち勝って来て、今後伸びていくことが予想される。もうこれで大丈夫と油断することなく、本業に徹した経営を進めていくことが大切である。
B 現在の収益力は劣っているが財務力が優れている会社は、過去の良き時代の経営に助けられているが、早晩財務力が悪くなることは明白である。体力が残っている間に、早急に抜本的な経営改善策を打ち出して実行していくことが必要である。
C 財務力が劣っているにもかかわらず成長力の大きな会社は、外部環境の変化で成長がストップしたときに、大きな赤字になる可能性がある。成長力を押さえ収益力を強化することである。
D 収益力、成長力、財務力がともに劣っている会社は、できるだけ早く思い切ったリストラを行って収益力を高めるか、会社を解散するかのどちらかである。
 大胆に5つのパターンに分類したが、どの会社も将来は不透明であることに間違いはない。現状の実力を正しく判断して、将来の発展に立ち向かうことが必要である。


5.少ない資本で大きな利益を目指す

 会社は必要な資本(元手となるお金)を自己資本(株式・利益)や負債(借入金)として調達し、その資本で土地を購入し工場を建て人を雇い入れ、設備や材料を購入して製品を生産する。その資本で買った土地・工場・設備・材料などが経営資産である。
 これらの資産は、流動資産と固定資産に分類される。
 流動資産とは現金・預金・売掛金・材料・製品在庫などのようにお金との換金が比較的容易なもので、固定資産とは土地・建物・設備のようにお金との換金に時間がかかるものである。
このような資産は製品を生産・販売するために必要なものであるが、その資産には元手(資本)がかかっていることを忘れてはいけない。経営とはできるだけ少ない資本で多くの利益を得ることが目標である(100万円を投資するよりも、10万円の投資で1万円の利益を得たほうがよいことは当然である)から、その資本で調達された資産の内容を理解しておくことは大切である。
経営改善においては、資本から資産、そして製品、さらに売上から利益回収までのステップで、それぞれの効率を高めていくことが重要なことであるが、まず資本の運用先である資産が本業以外の資産や遊休の設備になっていたり、また売れない製品や材料として倉庫に眠っていないかチエックすることが大切である。
そして稼がない資産があれば、たとえ一時的に損をしたとしても思い切って処分することである。
経営資産の減少に伴い短期借入金の減少が図られ、資金繰りが楽になるとともに、支払利息の減少により経常利益が増加する。また資産の管理にかかっていた労力も軽減される。


6.減らす経営資産は?

 経営資産の中で、現金・預金・受取手形・売掛金・材料・仕掛品・製品在庫などの流動資産は、減らした方が資本の効率が高い。
まず現金・預金はあった方がよいと思えるが、どの会社でも現金預金と共に借入金がある。一般的には、預金からの受取り利息より借入金の支払い利子の方が高い。つまり日常の資金繰りに必要なだけの現金・預金以上に余分に持つと損である。もし余分にあれば借入金の返済に当てよう。
次に、製品を販売したときの受取手形・売掛金はできるだけ少ないほうがよい。これらは普通であれば将来現金として回収できるが、回収できない危険性も常に持ち合わせている。つまり得意先の資金繰り困難や倒産などで支払ってもらえない可能性がある。
製品は売ったが代金がもらえない場合でも、自社が製品を作るのに要した材料や外注費や人件費は支払わないといけない。つまり丸損になる。販売した得意先の倒産で自社の支払いができずに連鎖倒産という事態もしばしばある。
さらに、材料・仕掛品・製品などの「物の在庫」は基本的にはないほうがよい。物の在庫は痛んだり、古くなったり、なくなったり、また保管スペースや在庫管理が必要などのマイナス面が多い。
材料は1度に多く買った方が安いといって多量に買い込んでも、もしその製品が生産中止になれば材料は他に流用できない限り廃棄処分である。また、作りだめした仕掛品や製品もタダ同然である。
 流動資産は必要最小限にすることである。流動資産を徹底的に調査して、その目的・役割をよく考えながらじっくりと眺めたら、「売り方」「買い方」「作り方」の改善テーマが数多く浮かんでくる。


7.増やす経営資産は?

増やした方がよい経営資産は土地・建物・設備などの固定資産である。増やした方がよいといっても生産活動に有効に活用できる範囲であって、直接本業に寄与しない固定資産は減らすほうがよい。
バブルの頃、その値上がりで利益を得ようとして多くの会社が本業から離れた投機目的で土地の取得に走り、その結果借入金を増やし、今その返済で四苦八苦している。
しかし、将来の工場建設用地として適当なものを取得しておくならば、借入れ金利の低い今は買い時かもしれない。また土地には含み益が長い年月で蓄積されるため財務力も蓄積される。
一般に工場建物は、生産が効率的にできる範囲で狭いほうがよいといわれる。もちろん増産スペースは確保するに越したことはないが、必要以上に建物が大きくなれば材料在庫、仕掛品在庫、製品在庫が自然増加するという理由からである。
しかし、中小企業の工場で広すぎる工場面積を有している会社は少なく、どちらかといえば狭すぎる工場が多い。詰めすぎたレイアウト、散在した置き場配置で移動・運搬効率や作業効率が悪い。
たまに生産スペースが1/3、仕掛品スペースが1/3、材料置き場が1/3というスペース効率の悪い工場を見るが、これは作業や資材の管理ができていないことが原因である。余裕のある工場建物は生産性の向上や将来の増産スペースという点から必要である。
 また設備には投資が必要である。毎年設備償却を行い設備資産額は減少していくが、基本的には償却額以上に設備投資を行うことが望まれる。生産設備や情報機器などは日進月歩しており、最適なものを手に入れそれを使いこなすことは大きな武器になる。


8.簡単に作る損益分岐点図

 製品の生産・販売に必要な費用を、生産販売の数量に比例して発生する「変動費」と、数量には無関係に一定額発生する「固定費」に区分し、変動費と固定費を合算した「総費用」から、売上高と利益の関係を表わす図が損益分岐点図である。
 変動費:材料費・購入部品費・外注費・荷造り保管費等
 固定費:人件費・建物設備の減価償却費・租税公課
固定費は数量に関係せずに一定額発生するため、数量が多くなれば製品1個当たりの固定費は小さくなる。
この固定費に、変動費を加えた製品の1個当たりの費用は、数量が多くなるほど小さくなる。つまり量産効果が得られるのである。
しかし実際には損益分岐点図の考え方通りにはいかないことがある。たとえば、
@ 材料費などの変動費は、数量が多くなれば安く買えるため、数量が増えれば1個当たりの変動費も下がる。
A 固定費は、数量が現在の生産・販売能力の中にある時は一定であるが、その範囲から外れると大きく変動する。
B 生産・販売の単位(ロット)が大量か少量かで製品の変動費が変わってくる。生産スタート時のロスや品種切替えロス、および販売の物流コストが数量で大きく変わるからである。
 損益分岐点図を簡単に作るには、過去3〜5年の決算書があればよい。売上高から利益を引いて総費用とみなし、それをグラフにプロットして直線を引けば固定費と変動費が読み取れる。損益分岐点の売上高はいくらだとか、変動費や固定費を下げることによっていくら利益が出るかの分析には十分に活用できる。


9.損益分岐点図の2つのタイプ

 製品の費用は変動費と固定費を加えたもので、損益分岐点図はそれらの比率により、高変動費・低固定費タイプと低変動費・高固定費タイプの2つに大きく分類される。
 前者の高変動費・低固定費タイプは、材料費・購入部品費や外注費などの外部へ流出する変動費が多いため、製品1個から得られる限界利益(売価−変動費)が少ない。加工度が低く付加価値の小さい製品を生産しているメーカーに見られる。
 このタイプの会社は数量が伸びて売上高が増加しても、大きな利益は得られない。いわゆる薄利多売の経営である。逆にいえば売上高が多少落ちたとしても大きな赤字にはなりにくいため、急速に経営が悪化するという危険性は少ない。
高変動費・低固定費の会社は、固定費は多少高くなっても変動費を下げるという狙いで、材料費の低減、外注加工の内製化、製品の高付加価値化などがこれからの経営課題である。
後者の低変動費・高固定費タイプは、外部へ流出する変動費が少ないため、製品1個から得られる限界利益が多い。高度な生産設備をたくさん活用している企業や、付加価値の高い競争力のある製品を生産するメーカーに見られる。
 このタイプの会社は売上の増加により大きな利益を獲得することができる。もちろん売上の微減でも利益は大きく減少する。
販売数量を増やすことが最大の狙いで、そのための販売力強化やコストダウン、品質向上などがこれからの経営課題である。
2つのタイプで考えると、これからは高変動費・低固定費タイプよりも、低変動費・高固定費タイプが求められている。


10.売上高を増やさず利益を確保する

損益分岐点図では、利益も損失も出ない売上高(損益分岐点売上高)を求め、それ以上に売上高が多くなるように数量を増やせば利益が出てくるため、売上高の増加が特に強調される。
この考え方は間違ってはいないが、最近の超低成長経済の日本国内では、売上高を増やすためには相当な値下げや少量受注などが必要で、その結果売上高の増加とともに総費用も高くなり、利益増加どころかかえって利益が減少することもある。
安易な値下げは、材料費が変わらないため変動費率の増加により総費用が高くなり、また少量受注では、生産の切替回数の増加による材料ロスの発生、また生産性の低下や管理工数の増加などで固定費が増加し、総費用が高くなる。
このような事態を招かないように、売上高を現状のままと考えて利益が出るような経営改善の方向が望まれる。つまり量的拡大による利益確保よりも、製品の高付加価値化やコストダウン努力などの質的向上による利益確保が今は必要である。もちろん質的向上が結果的に売上高の増加(量的拡大)につながることは明白である。
そのためにやるべき経営改善として、たとえば営業部門は顧客への対応を主にした製品クレームの未然防止、製品返品率の低減、売上債権の回収率アップ、営業行動の効率化をはじめとする顧客サービスの向上などがテーマである。
また製造部門は労働生産性の向上、設備稼働率のアップ、材料歩留まり向上、不良率の減少など、設計部門は設計レベルでのコストダウンや部品の標準化、そして管理部門では業務の効率化など数多くの取り組むべきテーマがある。


11.固定費は減らさず会社の活力を保つ

 利益を確保するために、総費用の中の固定費を下げることが考えられる。その固定費の中で1番大きなウエイトを占めるのが人件費で、人件費を下げる直接的な方法として次のようなものがある。
@ 社員数を減らす
A 給料が安い若い人を多く雇う
B 女性パートを活用する
C アルバイトや期間社員を多用する
D アウトソーシング(業務の社外委託)を利用する 
このような「人」の面から人件費を削減する方法とともに、「仕事」の質的な向上をあわせて進めることが大切である。
質的向上には、生産性を高めることや仕事の価値を高めることにより、製品の付加価値を向上させることや1人当たりの給料を増加させる狙いがあり、結果的には固定費としての人件費はあまり減らないが、会社の利益と社員のやる気を高めることができる。
次に固定費の中で、設備の投資額も人件費と同様に量的には下げずに、質的にあげていくことである。つまり毎年の償却費用に見合うよい投資を積極的に進める。もちろん経営資産以外への投資や採算の合わない投資をしてはいけないが、償却費用が減って来て利益が出るようになったと喜んでいてはだめである。
十分に回収の見込みがあるコンスタントな質の高い設備投資は、会社の将来の付加価値を高めるためにぜひとも必要である。
このように固定費という「種」をコンスタントにまき(固定費は減らさない)、うまく手入れをし(内容の質的向上を図る)、きれいな花を咲かせる(利益をあげる)ことが望まれる。


12.変動費率を下げて利益を上げる

 利益を確保するために、製品原価の変動費率を下げる方法がある。
 たとえば現在の変動費率が60%として、それを58%に2%下げれば利益率が2%あがる。もし現在の利益率が2%であれば4%になり、利益率は倍増する。
その効果は非常に大きいが、改善が複数部門にまたがるため各部門のセクショナリズムが働き、一般的に遅れている。だから逆にいえば、変動費の削減による利益向上の可能性は大きい。
 一般に変動費の中で1番大きいのが材料費で、これは徹底的に下げることが必要で、その方法としては次のようなものがある。
@ 安い材料に設計変更する
A 安く買える仕入先、安く買う購買方法を見つける
B 加工ロスをなくし歩留まりを上げる
C 加工不良を減らす
D 在庫損失を無くす
 また、外注に出したほうが安いからとか、社内に技術がないとかいって安易に外注を使っている会社も多いが、基本に戻って将来の付加価値を増やす観点で自社の外注政策を明確にした上で、下記の外注加工費の低減に取り組みたい。
@ 新たに優秀な外注先を見つける
A 外注の統合化を図る
B 内製化に切り替え、技術の蓄積を行う
などの方法がある。
 さらに、省エネ・省資源・リサイクルの観点からも、多くの変動費削減の改善テーマがあり、積極的に取り組むことである。


13.原点に戻った経営成績の総点検

この章では会社の経営成績を、「収益力」「成長力」「財務力」「経営資産」「損益分岐点図」5つの項目で見てきたが、これらの項目はそれぞれが独立しているのではなく、お互いに緊密な関係を持っている。たとえば無駄のない経営資産が収益力を高め、それが成長力や財務力を強化し、損益分岐点図の変化にあらわれる。
ここで大切なことは、これらの5項目を経営環境に合わせてうまく「バランス」させ、ある時は収益力に重点を置いた経営改善を進め、ある時は財務力強化の観点から経営改善を行うことである。
そして、これらの指標は過去何年かにわたる経営活動と改善の積み重ねた結果をあらわしている。
つまり経営資源(人・物・金・情報)を上手に活用した日々の着実な経営活動、および将来を見越した経営改善の結果として高い収益力が得られ、財務力が強化されていくのである。
ところで、よい結果にはよい結果を生む原因があり、悪い結果には悪い結果を生む原因がある。
5項目の総点検で、経営成績の良否の評価を行い、今後予想される長期低成長経済をベースに悪い原因は対策し、よい原因はさらに伸ばすような経営改善が望まれる。
ひとつの会社の中に長くいると、経営者も管理者も一般社員も自社の実態がわかりすぎて、現状に対する満足意識と共に成長への限界感を感じていることが多い。いいかえれば「マンネリ」「危機感の欠如」「現状妥協・安住」ともいえる。
しかし一度頭を白紙にし、原点に戻って今までの経営成績を見直すと、思わぬ方策と新たな行動への気力が出てくるものである。




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ちょっと休憩 「使えば貯まる金・体力・知識」

 「金・体力・知識」などは使えばなくなる。だから「貯える」というのが一般的な考え方である。
 我々は小さい頃から、「お金は無駄使いしないで貯金しなさい」と教えられてきたが、「無駄に使わない」考え方とともに「上手に使う」という前向きの考え方も大切である。
 たとえば、会社では設備や技術や人に投資する(お金を使う)から新製品が生まれ、利益となって返ってくる。
 また水泳やジョギングなどのスポーツは体力を使う。しかし、適当に汗を流して体を使えばスタミナが付き体力は貯まる。何の運動もせずに体力を温存すれば筋肉が衰えて逆に体力はなくなる。
 そして知識も同様である。自分の持っている知識を他人に話すことにより、相手もまた自分の知らない知識を教えてくれるのである。


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